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生ゴミ処理(札幌のやり方)
新婦人新聞
2000/10/05 付から
そもそもの提唱者は、資源循環型社会をめざす「循環(くるくる)ネットワーク北海道」(神山桂一代表)で、新日本婦人の会札幌中央支部、「北のゴミ総合研究会」などが実践しているようです。
以下その新聞の記事の内容です。(下記に出てくる「
土
」は、箱の中へ最初に入れた腐葉土のこと。
(紹介者注)
)
用意するもの
ダンボール箱3個、新聞紙(
土
がこぼれないように内側に敷く)、腐葉土(またはピートモス20リットルともみ殻くん炭15リットル=いずれも園芸店で)、ぬか、シャベル、温度計
方法
二つのダンボール箱を重ねて、濡れても破れないようにする。底に新聞紙を敷き、深さ15cmくらいまで腐葉土を入れる。
残りの1箱を輪切りにして台の代わりに(木端でも可)。その上にダンボール箱を乗せ、直接床にふれないようにする(通風が悪いと湿って底にカビが出てきて破れるので通風をよくする)。置き場所は暖かいほうが発酵が早い。
生ごみの水分は残っていてもよい。小さくしたり、刻んだ方が発酵が早い。
生ごみにひと握りのヌカをまぶして、
土
と混ぜる。
2日分の生ごみをまとめて入れてもよいが、腐敗したものは入れない。
ときどき大きくかき回す。
はじめて1週間もすると下の方のごみから発酵が進んでかさが減り、全体の量はあまりふえない。いっぱいになったら新しいダンボールで始める。
※できた堆肥は1〜3ヶ月熟成させて、畑に。
観察と感想
1週間もすると温度が上がり20〜40℃になってくる。ごみの量や種類、環境によって多少違う。生ごみが増え、姿形が見えなくなっていくのには、驚きと感動がある。
カロリーの高いものは熱分解がよく、発酵時の温度が上がる。水分の多い野菜類は、発行時温度があまり上がらず、魚類を入れると50℃以上になり、発酵臭が気になるかもしれない。
イカのゴロは、アンモニア臭がして適さない。
表面が白くなりカビ状態になるが、これは発酵している証拠。
バケツでの処理方法だと水分の問題が残るが、ダンボール紙のため、適度に水分が蒸発してゆくことがわかる。
アドバイス
生ごみを堆肥化するには、温度、空気、水分、栄養分、微生物のすみかの五つの条件が必要。腐葉土やピートモス(園芸用土壌改良材)は微生物のすみか(水分調整も)、ヌカは栄養分、生ごみに水分があり、かき混ぜることによって空気が入り、15〜20℃以上の温度があれば、生ごみは自然に発酵する。園芸用の腐葉土を買う場合は、虫などの入っている可能性のないピートモスの方がよさそう。におい消しの効果のある籾殻(から)くん炭と6対4の割合で混ぜて使うとよい。使い終わった脱臭剤や粉炭も効果がある。
生ごみは一日700グラム(三人家族一日分)程度は処理できる。多すぎると水分が多く、においが出やすいとの報告も。刻んで細かくした方が発酵しやすい。
脂肪など動物性タンパク質のものを入れると温度は高くなる。調理済み食品など塩分の多いものは、堆肥には不向き。トウキビの芯(しん)など繊維質の固まりや、鶏肉の骨などは分解しない。スイカの皮の硬い部分は発酵しないが、柔らかい部分はOK。あまり神経質にならずに、分解しなかったものは後で取り除けばよいぐらいに、やれる範囲で気軽に。
土は水分が少ないと発酵が鈍く、握った
土
が、開くとフワーと広がるほどの水分量(50〜60%)が最適。水分が多くペチャペチャになったり、ダンボール箱に穴があいたら、
土
に戻してやり直せばいい。
太田幸男____
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