「傘杉」を上から見る 
 最近、町内の鈴木先生から、樹高60メートルの「傘杉」が上から見えることを教えていただきました。樹高日本一の「傘杉」を上から見るとは楽しいではありませんか。 
 
 しかし、見えるポイントから「傘杉」まで直線距離で400メートルくらいあるので小さくしか見えません。それでもあれが「傘杉」とわかれば楽しいものです。いろいろ調べてみましたので報告します。 
 樹高日本一の「傘杉」とは 
 鳳来寺表参道石段(1425段)の途中(300段くらいのところ?)にあります。 
 平成15年の計測で、樹高は59.57mで、現存する樹木ではまさに日本一の高さです。
 
 <新城市の公表データ> 
 鳳来寺山のご神木 
 昭和6年に鳳来寺山全山が国指定天然記念物に指定された、その中のひとつ 
 樹高は60m、樹齢800年、幹の太さ約7.5メートル、枝下37m 
 新日本名木百選 
 
 <「日本の巨樹・巨木」高橋さんのホームページ>(外部リンク) 
 「日本の巨樹・巨木」の高橋さんが実測した傘杉の樹高は、63mで、「5回ほど計測したのでかなり正確な数値と考えている。」 
 「まさにもっともスギらしいスギの代表格であり、早く「日本一の樹高を持つ樹」のお墨付きが欲しいところだ。」と評価してくださっています。
 
 
 
 ←左は傘杉を見上げる(枝下37m) 
 下は傘杉の上の方の様子↓
 
 
 
 
 「傘杉」を上から見る 
 次の写真をご覧ください。 
 
 これは、山頂駐車場から鳳来寺へ向かう参道の途中、左下が「垂直の高い崖になっているところ」から開けた西方向を見たところです。 
 ここから北を見ると、よく写真に撮影される小さい松がすぐ側にあって、その遠方に鏡岩、鐘楼、本堂などが見えるところです。 
 
 左上遠方に表参道が見えます。一番手前は自然科学博物館の駐車場あたり(標高約200m)です。写真では見えませんが、石段の登り口あたりで標高は220mくらいです。 
 石段を約300段上ったあたり傘杉のあるところは、標高約270mくらいと推定しています。
 
 ちょうど真ん中あたりに枯れ木があります。 
 この枯れ木とその向こうを拡大したものが次の写真です。 
 
 
 
 
 この写真を撮ったところが、約480mなので、傘杉のところとこことの標高差は約210m、60mの傘杉のてっぺんとこの撮影地点との標高差は約150mになります。 
 
 枯れ木の向こうに枝の広がった木があり、その向こうに周りより高く丸くなって見える木がありますね。 
 これが傘杉のてっぺんだと思うのですが。 
  
 もう少し拡大すると次の写真のようになります。
 
 
 
 枯れ木の向こうに枝の広がった木がありその向こうに「こんもりとした丸い木」が見えます。 
 これが傘杉だと思うのです。 
 ほかの木より高く目立ち位置(方向)からそう見ています。 
 (いただいた情報と私の推定から。) 
 
 
 
 
 これがその傘杉と思われる木のてっぺんです。 
 穏やかに丸いその表情は、800年を生きてきた丸みを感じます。 
 一部茶色い部分が見えますが、この時期あちこちの杉の木には枯れた葉がついていてこんな風情になっています。
 
 
 
 傘杉の扱いについて 
 傘杉は、樹齢800年といわれ、その根元はどっしりと落ち着いて年輪を感じ、まっすぐに伸びたその姿はとても美しいです。 
 むかしは70mを越える杉があったようですが、現存する樹木の実測公表では、傘杉が樹高日本一です。 
 「巨樹巨木」のことを取り上げる場合には幹周りが基準になっているのであまり取り上げられてきませんでした。 
 石段を登るときに 出会う傘杉は感動ものでもっと取り上げられていいと思うのですが扱いが小さいです。 
 鳳来町の時代からそうでしたが、「傘杉」は、天然記念物指定の「鳳来寺山」の中の一つになっているので、その扱いがよわかったのでしょうか? 
 現在の市や観光協会のホームページでも同様です。 
 鳳来寺にお参りにきた人に聞いても、樹高日本一の傘杉があることを知っている人は少ないです。山頂の参道からも見えることですし、もっと大勢の人々に知ってもらいたいものです。 
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